2013年03月29日
シリーズ④飛び立ちと着氷 大鷲グル 諏訪湖に飛来する天然記念物
2012年4月7日 AM7時45分~ NHK諏訪湖の自然百景でも「グル」が紹介されます。
by 事務局K
大鷲グル 氷上からの飛び立ちと着氷
【以下 撮影・説明文 宮坂忠彦氏】
1月になると諏訪湖に氷が張り出します。この2年間は寒さが厳しかったので時には全面近くまでに張りました。諏訪湖は全周約16キロあり、対岸までは約4キロあります。ガチっと氷が張るとほぼ真ん中に着氷してわずか開いた水の上の魚を狩るのでお手上げです。双眼鏡か望遠レンズでもかすかに見える程度になります。せめて5百メートル以内でないと写真を撮っても認識できません。しかし気温が上がって氷が解け出すと、氷に挟まっていた死んだ魚や鴨が氷際に浮いてきます。よく見られるのはカラスやトンビが先に見つけた獲物を横取りするケースが多く見られるようになります。これもカッコが悪いが大きな大鷲の習性あり、生きている鴨を襲っても小回りが利かないのでほとんど取り逃がします。琵琶湖では鴨ばかり食べますが、諏訪湖では氷が張ることもあり、これが特徴になってしまったようです。
1. 氷の上に座るとカラスと比較してその大きさが分かります。木の上では地上の動物に襲われる心配がないので空の王者らしく威厳に満ちていますが、キツネやタヌキが襲う場合もあるのでいつも頭を回転させて、警戒と他の鳥が餌を見つけるのを探すので落ち着きがありません。
2. そばで見ると恐竜の末裔そのものです。特に足は太くてたくましいです。可愛いグルちゃんのイメージを損ないかねません。
3. 木からだと落ちるスピードも加算されますが、氷から飛び立つ時には羽ばたくしかないので両足を揃えて蛙飛びを5回くらい繰り返しスピードに乗り羽ばたきも繰り返してようやく飛べます。
4. ジャンプしながらスピードを上げる。
5. 大きく羽ばたきます。もちろん向かい風が強いと2回くらい繰り返しただけでふわっと飛び立てます。
6. 氷の上の魚を捕る時は着氷と同じ動作をします。
7. 羽ばたいてスピードを緩める。
8. 魚の上に乗る。この時は他の鳥がいなくて岸からも遠かったのでその場で食べました。
ほかの鳥から掠め取ったり、開いた水に浮いた魚を取ったときは安全な場所まで運んで食べます。
9. 魚を持って着氷します。氷は滑るので緊張感が伝わります。
10. 羽ばたいてスピードを緩めます。
11. どうだ、大きな鯉だろうと得意げに見せびらかしているようにも見えます。
トンビが鴨の死骸を見つけて順番を争って喧嘩をしている時に掠め取ります。来た方向に持ち帰るので回り込んで取ります

写真はシリーズ⑤に続きます。
私(宮坂忠彦)が観察したグル(諏訪湖の大鷲)ちゃん
お腹を空かせて14年前に諏訪湖に落ちてしまい体力がなく飛び立てなかった4歳のメスの大鷲を、野鳥の会の諏訪支部会長の林さんの指導のもとに数人のカメラマンが一緒に暴れる大鷲を救助した。大きな鳥小屋でシベリヤに帰るまで餌をやり体力をつかせて春に放鳥してから14年も諏訪湖に越冬に来ているので、諏訪の人には(グルちゃん)と呼ばれて親しまれているが、なにせ遠くて姿がよく見えないのでその姿を見た人は少ないようである。私も存在は知っていたが、写真を撮れるようになってから6年が経ちます。1年目はほとんど綺麗に撮れませんでしたが、カメラやレンズの進歩と、経験や撮る日が増えたことで一通りのシーンがようやく撮れるようになりました。もちろん諏訪湖は広くていろんな人が真剣にグルの写真をとっているので私の写真はその一部でしかありませんが、諏訪湖で撮影していていろんな人に会うとどんな鳥か聞かれるので、とりあえず私なりにまとめようと思い立ちました。
世界に4000羽しか生息していない翼を広げると2.5mもある国の天然記念物でもあり、絶滅危惧種にも指定されています。グルちゃんはメスで、羽の両端まで2.2mあり、座ると高さが90cm、重さは9キロあります。春から秋にはシベリヤ沿岸の高い木の上に巣を作って子供を産み、冬に半数はカムチャッカ半島を南下して北方四島に立ち寄り、釧路の十勝川で遡上して死んだ鮭を食べて体力を回復してから、ほとんどは釧路や知床の流氷の上で魚を捕って越冬します。東北までは足を伸ばすが、それ以南は琵琶湖、諏訪湖、静岡、印旛沼などに数羽飛来します。
グルちゃんの特徴は、右足に金属の認識票をつけられています。また保護された鳥かごの中で、暴れて右の羽の一本の元が抜けたので、そこが透けています。最近は補助の羽が隣から寄り添って生えてきたように見られ、飛ぶには差し障りがないように見られます。頭に白い羽が少し有り、これらの特徴で他の大鷲と見分けられます。
昔、文献の残っている江戸時代から諏訪湖に越冬に来る大きな鷲、他にもオジロワシやイヌワシなど越冬しなくても渡りの途中で餌を捕ると想像される記録が残っていて、地元の人も昔から大きなワシを見たことがあると聞かされます。現に上川に落って死んでいたオオワシの幼鳥も2体剥製になって諏訪に展示されています。
これから写真で説明しますが、トリミングをしているものもあり、100m以内には近づかないように(張り込んでいたとこに来たのは別)する。また餌をあげない。ボートでは近づかないなどグルちゃんにストレスを与えないように心がけているつもりです。なかなか近くで撮れるチャンスはごくわずかです。また越冬期間は12月末から、2月終わりから三月の初めです。
なおNHKが4月7日朝7時45分から放送される予定の諏訪湖の自然百景の取材に来て、2月に1週間来てビデオを撮って行きました。大鷲(グル)も撮りましたので興味のある方はご覧ください。
(社)長野県宅地建物取引業協会 諏訪支部(岡谷市・下諏訪町・諏訪市・茅野市・原村・富士見町)公式HP http://suwa-takken.jp/
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